
「悲しみがやさしくなるとき ~子どもを亡くしたあなたへ~」エリザベス・メーレン/著より抜粋してご紹介します。
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子どもを亡くし、その悲しみのなかにある親は、言葉の嵐のなかに立たされているような気持ちになることがあります。たいていはあたりさわりのない言葉です。だれも悪気があって言っているわけではありません。
たとえば、「本当にお気の毒に」と言う人がいます。(たしかにそのとおりです)また「時間がたてばどんな傷も癒えますよ」と言ってくれる人がいます。(もしかしたらそうかもしれません。でもそれがわかるまでには、間違いなく一生かかるでしょう。)
なかには心に突き刺さるような言葉をかけてくる人もいます。「少なくともお子さんといっしょにできるだけの時間はすごしたのですから…」(こんなちき、私たちはこう言い返してやりたいと思います。「私の子どもは図書館から借りてきた本じゃないんです!」と。)
なかでも最悪なのは、一番よく耳にすると言っていい次のような言葉です。いまそれを書こうとするだけでもいやな気持ちになって、手が止まりそうです。それは「お気持ちはよくわかります」という言葉です。(こんなふうに言われたときどうしたらいいのでしょう?私からのアドバイスは、できるだけさっさと、相手を傷つけないようにさりげなくその場から立ち去ることです。他人の気持ちがわかるなんて、どうしてそんなふうに思えるのでしょう!)
もう一つ、私が個人的に好きでないのは、子どもを失った親に向けられる次のような言葉です。「だいじょうぶ、またお子さんができますよ」。
そうかと思えば、娘が亡くなってから3ヶ月後、私の背中をドンと叩いて声をかけてきた同僚もいます。この同僚は恐ろしいほど屈託のない笑みを満面に浮かべて、「どう、すっかり元気になった?」と明るい声で聞いてきました。私は笑みを返すことすらできませんでした。ただ、できるかぎり相手の気持ちを傷つけないように、「すっかり元気になる」なんてことがいつかあるとはとても思えないということを伝えました。
親切心からいろいろ言ってくれる人のこのような言葉の刃から、私たちを守ってくれる盾はどこにもありませんし、あるはずもないのです。あなたは相手に反撃を試みたいと思うかもしれません。でも、そうしたところでなにかが変わるわけではありません。たとえ慰めの言葉として最悪のものであっても、たいていの場合、そこにはまったく悪意はなく、ただ無知から発された言葉なのですから。親戚や友人も自分なりに悲しみを感じ、それに対処しようとしているのです。
子どもを失った直後、私たちがさまよい歩くこの道は険しくでこぼこです。だからちょっとした言葉でつまずいてしまうことがよくあるのです。
では、だれかの子どもが亡くなったとき、その小さな命がこの星からあまりに早く飛び去ってしまったとき、あなたはなんと声をかけてあげたらいいのでしょう?その喪失はなにをもっても補えないとわかっているとき、あなたはどんな言葉をかけてあげられるのでしょうか?
そんなときには、子どもを亡くした親たちが一番聞きたいと思っている言葉をかけてあげてください。
「悲しいし、つらいです。私になにができるか、ずっと考えています」と。
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「次に生まれてくるお子さんはきっと○○くん(天使になったお子さん)だよ」と、悲しみの中にいるお母さんに手紙を送ったことがあります。同じ病院のお友達でした。
私は言葉を探しました。実際に身近でお子さんを亡くされた方と接するのは初めてでしたので、どうやって声をかけたらいいのかわからない、でもなんとか力になりたい。そう思いながらも悲しくてつらくてたくさん泣きました。
言葉を探して無理に声をかけなくても、力になれず一緒に泣き崩れてしまってもいいんだと、ずっと後になってわかりました。
お友達が天使になったと知らせを受けるたび、私は泣くことしかできません。悲しい、寂しい、つらい、悔しい・・・いろいろな感情で心が溢れてしまいます。だから言葉が出てきません。今はそのまま、相手に伝えています。
天使ママさんたちは、言われて嬉しかった言葉はありますか?

みーしゃん
(2006-10-12 2:10 )
どんな優しい言葉をかけてもらっても「わかりもしないくせに!」と内心反発していた私を、黙って抱きしめてくれた友人がいます。抱きしめられた途端、泣き崩れてしまいました。
言葉が無くても、その行為だけで充分。
誰かにそうしてもらえるのを待っていたような気もします。
公共広告機構のCMにもありますよね?あれは親子の設定ですけど、「抱きしめるだけで気持ちは伝わる」って実感しました。
大人同志でも、スキンシップって大事なんですよね。

ゆかりん
(2006-10-12 8:42 )
みーしゃんさん
そうですね。
どんな言葉も要らないことってありますよね。
私もやはりただ手を握り締めて一緒に泣いてくれた友人の優しさが心に残っています。
こうして書いていて思い出してもなんだか暖かい気持ちになれます。

ひとりぼっち
(2019-3-23 22:04 )
私も一人っ子を亡くした親だが、子供を亡くしたばかりの悲しむ母親に、言葉はそのことに触れずに、個室のある店に食事に誘って、おごるのはもとより、話しをたくさん聞いて共に泣くだろう。
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